夏に読みたい小説12選。ノスタルジーな情景に浸ってみては?

ノスタルジーに浸る、夏に読みたい小説12選のアイキャッチ画像 趣味と考えごと

夏に読みたい小説12選をご紹介している記事です。

どこにも出かけたくないほどの暑すぎる夏…。

冷たい飲み物片手に、おうちでゆったり読書タイムを過ごすのはいかがでしょうか?

本記事では「夏に読みたい!おすすめ小説12選」をご紹介しています。

ノスタルジーな気分に浸れる一冊はもちろん、ちょっぴり怖い背筋が凍る一冊まで幅広く!

あらすじや筆者のひとこと感想を参考に、ぜひお気に入りの小説を見つけてみてくださいね。

本記事がおすすめの人
  • 夏の情景が美しい小説を探している人
  • ノスタルジーな気分に浸りたい人
  • ちょっぴりホラーな短編小説を探している人
  • お気に入りの一冊を探している人

「違う季節の本が読みたい!」「秋を先取りしたい!」という人は以下の記事もぜひ!

さっそく「ノスタルジーな夏に読みたい小説」をみていきましょう。

広告

ノスタルジーに浸る。夏に読みたい小説 8選

夏に読みたい小説が冷たい緑茶とともに置かれている

懐かしい情景が蘇る、夏にぴったりの小説8作品をセレクトしました。

お気に入りの一冊を見つけてみてくださいね。

①TUGUMI / 吉本ばなな

夏に読みたい小説の「TUGUMI」が置いてある
あらすじ

病弱で生意気なつぐみ。彼女と育った海辺の小さな町へ帰省した夏、まだ淡い夜のはじまりに、つぐみと私は、ふるさとの最後の夏をともにする少年に出会った―。

少女から大人へと移りゆく季節の、二度とかえらないきらめきを描く、切なく透明な物語。

(文庫本あらすじより抜粋)

海辺の町で育ったことはない筆者も、なぜか懐かしさに胸が締め付けられるような、透明感に包まれた作品です。破天荒な性格と身体の弱さを併せ持つ主人公「つぐみ」が、戻れない夏の儚さを象徴している気がしました。

ぬるい扇風機の風、水滴したたるコップ、夏の夜風、ノスタルジーな夏の魅力に浸りたい人にもっともおススメです!

筆者
筆者

読むと海辺の町への憧れが強くなりますよ!

② 西の魔女が死んだ / 梨木香歩

夏に読みたい小説「西の魔女が死んだ」が置かれている
あらすじ

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変わるひと月あまりを、西の魔女の下で過ごした。

西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心のかなめは、なんでも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。

(文庫本あらすじより抜粋)

老若男女問わず読みやすいのに、深く響くものがある素敵な作品です。初夏の自然に包まれた風景描写に癒されます。

「価値観は自分のためにある」という、シンプルだけども見失いがちなことをそっと教えてくれます。何度も読み返したくなる、手元に置いておきたい一冊です。

筆者
筆者

自分がどうしたいのかは、わかるようで見失いがちですよね。

③夏美のホタル / 森永明夫

夏に読みたい小説「夏美のホタル」が置かれている
あらすじ

写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びた万事屋「たけ屋」を見つける。そこでひっそりと暮らす母子・ヤスばあちゃんと地蔵さんに温かく迎え入れられた慎吾たちは、夏休みを「たけ屋」の離れで暮らすことに。

夏空の下で過ごす毎日は、飽きることなくシャッターを切らせる。やがて地蔵さんたちの悲しい過去を知った慎吾は、自らできること探し始めるが…。

(文庫本あらすじより抜粋)

どこか懐かしくて、なぜか帰りたいと思うような、緑あふれる田舎の夏の情景に癒される一冊です。とても読みやすいので、読書初心者の人にもおすすめです!

現代では減ってしまった、直接的な人のつながりに心温められます。

④妊娠カレンダー / 小川洋子

夏に読みたい小説「妊娠カレンダー「が置かれている

季節のうつろいとともに描かれていますが、夏の情景が強烈なので入れてみました。

あらすじ

出産を控えた姉に毒薬に染まったジャムを食べさせる妹…妊娠をきっかけとした心理と生理のゆらぎを描く芥川賞受賞作「妊娠カレンダー」。

謎に包まれた寂しい学生寮の物語「ドミトリイ」。小学校の給食室に魅せられた男の告白「夕暮れの給食室と雨のプール」。透き通った悪夢のようにあざやかな三篇。                 

 (文庫本あらすじより抜粋)

飾らない素朴な日常のなかに、ぞっとする心理描写を散りばめた「妊娠カレンダー」は、なぜか惹きつけられてしまう魔性の作品。

妊娠が及ぼす変化を文章で読むと、この世のものではないような神秘を感じます。

一番の魅力は、登場人物たちの感情の機微ではないでしょうか。とくに、語り手「妹」の、実験前を想起させる純粋な好奇心は、分かるような気もします。

筆者
筆者

短編「夕暮れの給食室と雨のプール」は、単語の並びだけで懐かしさを感じます!

⑤52ヘルツのクジラたち / 町田そのこ

夏に読みたい小説「52ヘルツのクジラたち」が置かれている
あらすじ

52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そのため、この世界で一番孤独だと言われている。

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らは出会い、魂の物語が生まれる。

(文庫本あらすじより抜粋)

夏の描写が脳内に残っていたので選んだ作品です。

登場人物たちが生きてきた環境は、かなり過酷で読んでいて辛い描写も多かったですが、2人が出会ったからこそ生まれた希望に心動かされます。

「声なき声」に耳を傾けられる人でありたいと思わされます。

⑥ねじまき鳥クロニクル / 村上春樹

夏に読みたい小説「ねじまき島っクロニクル」が置かれている

1巻物語の導入部分が夏なので選んでみました。一見全く関係なさそうな描写たちが、物語が進んでいくなかで少しずつ意味を持ち始め、最終的に話がつながっていく不思議な爽快感があります。

1巻目は少し読みにくい印象の作品ですが、ユニークな世界観に引き込まれて、2巻以降は続きが気になってしまいます。

⑦ 島はぼくらと / 辻村深月

夏に読みたい小説が重ねられている
イメージです
筆者
筆者

手元にないので画像はイメージです…。

表紙イラストも素敵ですよ!

あらすじ

瀬戸内海の小さな島、冴島。島の子はいつか本土に渡る。
17歳。ともにすごせる、最後の季節。

母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹。熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。

島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、 島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。
故郷を巣立つ前に知った大切なこと――                   (文庫本あらすじより抜粋)

有限だからこそ輝く、戻れない青春のきらめきが詰まった一冊です。

なんでもない島の風景描写が眩しくて、閉鎖的な環境だからこそノスタルジーを感じます。

登場人物たちの、ひたむきな気持ちと揺れ動く気持ち、その両方が瑞々しいです。

強い結びつきがあるのに、どこかさっぱりしている、島だからこその人間関係は新鮮でした。

⑧金魚姫 / 荻原浩

夏に読みたい小説「金魚姫」が置かれている
あらすじ

恋人に振られ、やりがいのない仕事に追われていた僕は、夏祭りで気まぐれにすくった琉金にリュウと名をつけた。その夜、部屋に赤い衣を纏った謎の美女が現れ、潤に問いかける。「どこだ」。どうやら金魚の化身らしい彼女は誰かを探しているようだが、肝心な記憶を失い途方に暮れていた。突然始まった奇妙な同居生活に、潤はだんだん幸せを感じるように。

しかし彼女にはある秘密があった。温かくて切ないひと夏の運命の物語。

 (文庫本あらすじより抜粋)

淡くて涼やかな雰囲気に包まれたファンタジー&恋愛小説です。

随所に、種類・歴史など金魚の知識が散りばめられていて勉強になります。

テンポよく読みやすいストーリーですが、ダークな一面もあり、一気に最後まで読みたくなります。特に、少しずつ明らかになっていく琉金:リュウの過去が見どころだと思います。

「他のファンタジー小説も読みたい!」という人は、こちらの記事もおすすめです。

⑨ 姑獲鳥の夏 / 京極夏彦

夏に読みたい小説「姑獲鳥の夏」が置かれている
あらすじ

久遠寺医院の娘は二十カ月の間、身籠ったままという。その夫は密室から消え、行方が知れない、古本屋にして陰陽師の京極堂が、医院で頻発する怪事件を紐解き、ついに名家の呪いに迫るー。

意識とは、心とは何か。「不思議」を生み出すのは脳に過ぎないのか。推理の前提をくつがえす、現代ミステリーの金字塔。                            

(文庫本あらすじより抜粋)

自分が今見ている景色ごと疑ってしまうような…考え方の根幹から揺さぶられる影響力の強い作品です。精神医学や宗教学など、幅広いカテゴリーから少しずつ紐解かれていくミステリーは、今までにない衝撃を与えてくれます。

ちょっぴり怖さもありつつ、古き良き昭和の夏が見え隠れする一冊です。少し分厚いうえに、難しそうに見えますが、読み進めやすいと思います。

筆者
筆者

はじめて読んだときに圧倒されました。

本作が1冊目スタートの「百鬼夜行シリーズ」。

「姑獲鳥の夏」以降は以下のとおりに続きます。

  1. 姑獲鳥の夏
  2. 魍魎の匣
  3. 狂骨の夢
  4. 鉄鼠の檻
  5. 絡新婦の理
  6. 塗仏の宴 宴の支度
  7. 塗仏の宴 宴の始末
  8. 陰摩羅鬼の瑕
  9. 邪魅の雫
  10. 鵼の碑
  11. 幽谷響の家

1冊ごと(上下あるものも)に完結したストーリーですが、順に読むと話をつながりを楽しめますよ。

ちょっぴり怖い⁉ 夏に読みたい短編小説3選

ホラー要素が入った夏に読みたい小説が破けている

ホラー要素が入った、短編小説3作品をご紹介します。

ちょっぴり怖い…けれど短時間で世界観に浸れるものばかりですよ!

夏に読みたい短編小説① 鬼談 / 京極夏彦

夏に読みたい小説の「鬼談」がテーブルに置かれている
あらすじ

藩の剣術指南約・桐生毛に生まれた作之助には、腕がない。元服の夜、父は厳かに言った。「お前の腕を斬ったのは儂だ」。

一方、柔らかで幸福な家庭で暮らす”私”は何故か、弟をみていると自分の中に真っ黒な何かが涌くのを感じていた。ある日、私はみてしまう。幼い弟の右腕を掴み、表情のない顔で見下ろす父を。

過去と現在が奇妙に交錯する「鬼談」のほか、情欲に囚われ<人と鬼>の狭間を漂う者たちを描いた、京極小説の神髄。

(文庫本あらすじより抜粋)

様々な角度から「鬼」を掘り下げた短編小説です。ぼんやりとした結末が多い印象で、理解しきれないからこそ怪しい、テクニカルな一冊だと思いました。

とくに、最後の一文でゾクッとする短編がお気に入りです。

夏に読みたい短編小説②  ふちなしのかがみ / 辻村深月

夏に読みたい小説「ふちなしのかがみ」が置かれている
あらすじ

この学校の花子さんは、音楽室から飛び降りた少女の霊です。花子さんは階段に棲んでいて、一生懸命掃除すれば会うことができます。でも、彼女がくれる食べ物や飲み物は口にしてはいけません。嘘をついてもいけません。さもないとー。

おまじないや占い、夢中で話した「学校の七不思議」、おそるおそる試した「コックリさん」。青春ミステリの旗手・辻村深月の新境地!

(文庫本あらすじより抜粋)

背筋がゾクッとする、不気味な短編集です。とても読みやすいので、ホラーが好きな読書初心者さんにおすすめです。

表題作「踊り場の花子さん」は、どこか聞き馴染みのある学校の怪談にアレンジが加えられているお話です。ホラーだけでは終わらない伏線回収に驚きでした!

筆者
筆者

大人になって学校の怪談にふれると、懐かしい気分になります

夏に読みたい短編小説③  何が困るって / 坂木司

夏に読みたい小説「何が困るって」が置かれている
あらすじ

平凡な日々の風景に溶け込む、あの人、この人、そしてあなた。それぞれ隠しているのは、どんな物語?

-ちょっとした嫉妬心から始まる「いじわるゲーム」の行方、子どもの頃耳にした奇妙な「都市伝説」が導く戦慄の結末、「鍵のかからない部屋」から出たくてたまらない”私”の物語…。

日常と非日常のあわいを描く、奇妙で少しぞっとする、不思議な読み心地のショートストーリー集。

(文庫本あらすじより抜粋)

不穏で不気味な雰囲気でサクサク読める短編集です。

わかるようなわからないような、宙ぶらりんな感じの作品が多いですが、作りこまれた後味の悪さが魅力の一つではないでしょうか。想像力を搔き立てられる面白さがある本だと思いました。

夏に読みたい小説 12選 まとめ

青空の下、ひまわりがたくさん咲いている

本記事では「夏に読みたい小説12選」をご紹介しました。

「小説の中で夏の情景を楽しみたい!」「夏特有のノスタルジーを感じたい!」という人のお役に立てれば嬉しいです。

長く楽しめる小説との出会いになりますように。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

めくるめく妻

製菓衛生師とFP2級。
覚えが悪いため苦労しましたが、何とか取得しました。
全く分からなかった頃の自分を意識し、理解しやすい文章を意識しています。
主な趣味は、お菓子作り・読書・御朱印あつめ。