おすすめ和風ファンタジー。日本の世界観に触れる珠玉の6選

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本記事では「おすすめ和ファンタジー」をご紹介しています。

和風ファンタジーは、おもに日本を舞台に描かれるフィクション小説のことを指します。

「世界観を想像しやすい」「読みやすい!」と感じる人も多いのではないでしょうか。

本記事では、そんな和風ファンタジーのなかでも「日本の歴史」と関係が深い作品をセレクトしました。

あらすじ筆者のひとこと感想を参考に、お気に入りの一冊をみつけてみてくださいね。

本記事がおすすめな人
  • 読書好きな人
  • ファンタジーが好きな人
  • 日本の歴史に興味がある人
  • 独特な世界観に浸りたい人

さっそくみていきましょう。

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おすすめ和風ファンタジー6選

和風ファンタジーを読む風景

日本が舞台のフィクション小説である、和風ファンタジー。

以下からは、筆者のおすすめ和風ファンタジー6選をご紹介していきます。

勾玉三部作/ 荻原規子

日本神話(古事記)をもとに繰り広げられる通称「勾玉三部作」

  1. 「空色勾玉」
  2. 「白鳥異伝」
  3. 「薄紅天女」

その名のとおり、勾玉がキーとなる連作をあわせた呼び名です。

以下から一作品ずつご紹介します。

①空色勾玉

おすすめ和風ファンタジー①「空色勾玉」の文庫本が並べられている
あらすじ

輝の大御神の双子の御子と闇の氏族とが烈しく争う戦乱の世に、闇の巫女姫と生まれながら、光を愛する狭也。輝の宮の神殿に縛められ、地底の女神の夢を見ていた、<大蛇の剣>の主、稚羽矢との出会いが、狭也を不思議な運命へと導く。(文庫本あらすじより抜粋)

古代日本がベースの小説です。難しい設定とは裏腹に、読み進めやすくスッキリしたストーリーに引き込まれます。児童文学ですが、大人が読んでも新たな発見がある作品ですよ。

個人的には、神様の描かれ方が印象的。ただひたすらまばゆい美しさと、純粋でありながら残酷な部分の二面性が神様の想像を広げてくれました。

読書好きな人
読書好きな人

中学生のころに初めて読み、すっかり夢中になりました。

②白鳥異伝 (上)(下)

おすすめ和風ファンタジー①「白鳥異伝」の文庫が並べられている
あらすじ

双子のように育った遠子と小倶那。だが、小倶那は<大蛇の剣>の主となり、勾玉を守る遠子の郷を焼き滅ぼしてしまう。「小倶那はタケルじゃ。忌むべきものじゃ。剣が発動するかぎり、豊葦原のさだめはゆがみ続ける…」大巫女の託宣に、遠子が固めた決意とは…?(文庫本あらすじより抜粋)

ヤマトタケル伝説をもとに描かれた作品。「空色勾玉」と同様、想像しやすく読みやすいストーリーです。

上下巻で構成されているということもあり、登場人物が多く、各々の個性が光っています。とくに、主人公:遠子の行動力と柔軟さ、成長とともに移り変わる考え方が見どころの一つだと思います。

読書好きな人
読書好きな人

白鳥異伝が好きすぎて、熱田神宮近くの「白鳥古墳」も見に行きました。

③薄紅天女 (上)(下)

おすすめ和風ファンタジー①「薄紅天女」の文庫本が並べられている
あらすじ

東の坂東の地で、阿高と、同い年の叔父藤太は双子のように17まで育った。だがある夜、蝦夷たちが来て阿高に告げた…。あなたは私たちの巫女、火の神チキサニの生まれ変わりだ、と。母の面影に惹かれ、蝦夷の地へ去った阿高を追う藤太たちが見たものは…?(文庫本あらすじより抜粋)

坂上田村麻呂や征夷大将軍など、授業で一度は聞いた名前が出てくる奈良時代が舞台です。歴史になぞらえて読み進められる部分も、魅力だと思います。

「勾玉三部作」の中で唯一、男の子2人が主人公だったこともあってか、軽快かつ爽やかな雰囲気を纏った作品でした。数奇な運命に翻弄されていくものの、ウジウジ悩まない2人の潔さがかっこよかったです。

読書好きな人
読書好きな人

勾玉三部作は、登場人物の子孫が活躍していく連作になっています。

八咫烏シリーズ/ 阿部智里

おすすめ和風ファンタジー②「八咫烏シリーズ」の文庫本4冊が並べられている

今回は、一作目である「烏に単は似合わない」のみ紹介させていただきます。

ちなみに、シリーズとしては以下の作品が続きます。

  1. 烏に単は似合わない
  2. 烏は主を選ばない
  3. 黄金の烏
  4. 空棺の烏
  5. 玉依姫
  6. 弥栄の烏
  7. 烏百花
  8. 楽園の烏
  9. 烏百花
  10. 追憶の烏
  11. 烏の緑羽

烏に単は似合わない

あらすじ

人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界「山内」ではじまった世継ぎの后選び。有力貴族の姫君四人の壮大なバトルの果て……。史上最年少の松本清張賞受賞作品。(文庫本あらすじより抜粋)

「大奥」を想起させる、煌びやかな世界観が美しいです。2024年にはアニメ化されていた作品であるため、知っている方も多いのではないでしょうか。

もともと、ミステリーを毛嫌いしていた筆者ですが、本作で面白さに気づきました。女性特有のいざこざの話?かと思いきや、ストーリーの緻密さと完璧な設定に驚きっぱなしでした。

読書好きな人
読書好きな人

借りパクされてしまい画像はありませんが、美麗な表紙も見どころですよ。

千年樹/ 荻原浩

おすすめ和風ファンタジー③「千年樹」の文庫本が置かれている
あらすじ

東下りの国司が襲われ、妻子と山中へ逃げる。そこへ、くすの実が落ちてー。いじめに遭う中学生の雅也が巨木の下で…「萌芽」。園児たちが、木の下にタイムカプセルを埋めようとして見つけたガラス瓶。そこに秘められた戦争の悲劇「瓶詰の約束」。祖母が戦時中に受け取った手紙に孫娘は…「バァバの石段」。など、人間たちの木をめぐるドラマが、時代を超えて交錯し、切なさが胸に迫る連作短編集。(文庫本あらすじより抜粋)

「樹齢〇年」というプレートを見て、時代の流れを想像したことがある人は多いのではないでしょうか?その想像を連作短編集にしたのが「千年樹」です。

かたちは違っていても、どこか似通った人間ドラマに、心が締め付けられます。千年もの時を生き抜いてきた神木の支配力と、時代に翻弄されていく人間の儚さ、その対比が胸に迫ってくる気がしました。

読書好きな人
読書好きな人

今、自分が生きていることに感謝したくなる小説です。

狐笛のかなた/ 上橋菜穂子

おすすめ和風ファンタジー④「狐笛のかなた」の文庫本が置かれている
あらすじ

小夜は12歳。人の心が聞こえる<聞き耳>の力を亡き母から受け継いだ。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の<あわい>に棲む霊狐・野火だった。隣り合う国の争いに巻き込まれ、呪いの力を避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年をめぐり、小夜と野火の、孤独で健気な愛が燃え上がる…(文庫本あらすじより抜粋)

命の尊さや、当たり前ではない事実など…忘れてはいけない純粋な考えが詰まった児童文学です。読み進めやすいストーリーで、あっという間に引き込まれます。

国のトップが憎しみに支配され、周囲を巻き込んでいくあらすじですが、それぞれが相手を思うからこその行動だとわかり、「悪」とは何だろう?と思いました。

読書好きな人
読書好きな人

おすすめ和風ファンタジーは、児童文学も多いです。

二千七百の夏と冬(上) (下)/ 荻原浩

おすすめ和風ファンタジー⑤「二千七百の夏と冬」文庫本2冊が並べられている
あらすじ

ダム工場で、縄文人男性と弥生人女性の人骨が発掘された。二体はしっかりと手を重ね、互いに向き合った姿であった。三千年近く前、この男女にいったいどんなドラマがあったのか?新聞記者の佐藤香耶は、次第に謎にのめり込んでいくー。(文庫本あらすじより抜粋)

前提として「縄文時代が舞台⁉」と驚いてしまいました。しかし読み進めていくうちに、必死に生き抜く力強さ、自然と共存するひたむきさに心打たれます。

偏見や大多数の意見で価値観を定めず、柔軟に新しいものを取り入れていく姿勢こそが、どんなときも時代を進めていくんだなと思いました。

金色機械/ 恒川光太郎

おすすめ和風ファンタジー⑥「金色機械」の文庫本が置かれている
あらすじ

時は江戸。ある大遊郭の創業者:熊悟郎は手で触れるだけで生物を殺せるという女性・遥香と出会う。謎の存在「金色様」に導かれてやってきたという遥香が熊悟郎に願ったこととはー?壮大なスケールで人間の善悪を問う、著者新境地の江戸ファンタジー。(文庫本あらすじより抜粋)

「和風ファンタジー」のおすすめとして紹介しましたが、SF+ホラーも混ざったような独特な世界観が魅力です。好みのジャンル関係なく、楽しめる小説だと思います。

サクサク進んでいくストーリーとは裏腹に、設定と人間模様はかなり緻密。おもわず続きが気になってしまいます。

読書好きな人
読書好きな人

ありそうでなかった、面白い小説です。

「他にも面白い本を知りたい!」という人は以下の記事もおすすめです。

おすすめ和風ファンタジー6選 まとめ

和風な小川

本記事では「おすすめ和風ファンタジー6選」をご紹介してきました。

「何を読んでいいか分からない」「和風ファンタジーをもっと読んでみたい!」という人のお役に立てれば嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。