秋に読みたい。ちょっぴり寂しい夜長を彩るおすすめの本8選

秋のおすすめ本8選のアイキャッチ画像 趣味と考えごと

本記事では「秋のおすすめ本8選」をご紹介しています。

少しずつ肌寒くなってくる秋は、夜の時間が長くなり「秋の夜長」ともいわれます。

虫の声をききながら、ゆったりと楽しむ「読書の秋」はいかがでしょう。

ということで本記事では、「秋におすすめの本8選」をご紹介しています。

あらすじ筆者のひとこと感想を参考にしながら、お気に入りの一冊を見つけてみてくださいね。

本記事がおすすめな人
  • 秋にゆったり読書を楽しみたい人
  • 読みやすい本を知りたい人
  • 季節に合った描写を楽しみたい人

さっそくみていきましょう。

夏~秋へ 情景に魅了されるおすすめ本5選

夜長をイメージした中秋の名月の画像

以下からは、筆者が選んだ情景の描写が美しい本をご紹介します。

1. デッドエンドの思い出 / よしもとばなな

布の上に置かれた、秋のおすすめ本1、デッドエンドの思い出
あらすじ

「幸せってどういう感じなの?」―辛くて、どれほど切なくても、幸せはふいに訪れる。かけがえのない祝福の瞬間を鮮やかに描き、心の中に宝物を蘇らせてくれる珠玉の短編集。(文庫本あらすじより抜粋)

ふと思い出すと優しい手触りや香りに包まれる、そんなほっこりとした記憶を閉じ込めた5編です。「人との関わり」がキーとなり、辛く悲しい出来事を解きほぐしていきます。さくっと読みやすいため、読書初心者や「「全部読めるか不安…」という方にぜひ手にとっていただきたいです。

購入は以下からどうぞ。

2. シュガータイム / 小川洋子

秋以外の季節も登場しますが、クライマックスが秋!ということでおすすめします。

あらすじ

三週間ほど前から、わたしは奇妙な日記をつけ始めた。春の訪れとともにはじまり、秋の淡い日差しのなかで終わった、シュガータイム。青春最後の透明な時間を描く長編小説。 (文庫本あらすじより抜粋)

つい見逃してしまいそうな風景や、心の機微を繊細に描いた小説です。一つひとつのシーンが美しく色付けされ、表情を伴いながら目に浮かんできます。主人公の女子大学生と、その弟の食事シーンは必見。心温かい風景ながらもどこか哀しさが漂うひとコマは、秋を象徴する場面です。

読書好きな人
読書好きな人

青春は「春」と思っていましたが、透明で刹那的な「秋」の方が似合うかも?と感じました。

購入は以下からどうぞ。

3.ラピスラズリ/ 山尾悠子

布の上に置かれた、秋のおすすめ本3.ラピスラズリ
あらすじ

「閑日」/ 秋、冬眠者の館の棟開きの日。人形を届けに来た荷運びと使用人、冬眠者、ゴーストが絡み合い、引き起こされた騒動の顛末。                         (文庫本あらすじより抜粋)

表紙を開けば、別の世界が広がっている。そんな独立した世界観に魅了される小説です。幻想的ながらも幾何学的な文章が、想像力を掻き立てます。舞台は晩秋~冬といった感じで、うつろいゆく季節を楽しむこともできます。

読書好きな人
読書好きな人

ただ、場面や時系列がポンポン回っていくので、逃したら迷路のよう。

好みは分かれる作品かもしれませんね。

4.秋の牢獄/ 恒川光太郎

布の上に置かれた、秋のおすすめ本4.秋の牢獄
あらすじ

11月7日(水)女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。何をしても、どこに行っても、朝になれば全てがリセットされ、再び11月7日(水)が始まる。悪夢のような日々の中、藍は同じ「リプレイヤー」の隆一と出会うが…。                        (文庫本あらすじより抜粋)

秋の一日に閉じ込められる、という不思議な設定の短中編小説。ホラー・ファンタジー・ミステリー3つが入り混じったような独特な世界観です。心理描写が彩りを加え、最終的にどうなるのかワクワクしながら読み進められます。

5.騎士団長殺し/ 村上春樹

四冊重なりあって並べられた、秋のおすすめ本5.騎士団長殺し

かなり長めの4冊長編小説です。

あらすじ

私は時間を味方につけなくてはならない― 妻と別離して彷徨い、小田原の小暗い森の山荘で、深い孤独の中に暮らす36歳の肖像画家。やがて、屋根裏のみみずくと夜中に響く鈴に導かれ、謎めいた出来事が次々と起こりだす。                       (文庫本あらすじより抜粋)

少し肌寒く感じられる晩秋が舞台。カジュアルなお洒落さと、的を得た豊かな比喩表現・隠喩表現がとても上品です。隠された意味を読み解くのも楽しいですよ。続きが気になり、ページをめくる手が止まりません。長く世界観に浸ることができるため、秋の夜長にぴったりではないでしょうか。

読書好きな人
読書好きな人

登場人物が個性的です。

特に物語のキーとなる騎士団長が愛らしく見えてきます(笑)

読みやすい!秋のおすすめ本3選

右端にススキがあり、奥に青空が広がる秋のイメージ画像

秋が舞台…ではありませんが、以下からは読みやすい小説を「秋のおすすめ本」としてご紹介します。

1.センセイの鞄/ 川上弘美

布の上に置かれた、秋のおすすめ本6.センセイの鞄
あらすじ

ひとり通いの居酒屋で37歳のツキコさんがたまさか隣り合ったご老体は、学生時代の国語の恩師だった。ぽつりぽつりと交わす世間話から始まったセンセイとの日々は、豊かに四季をめぐっていく―。年齢の離れた男女の飄々として、やがて慈しみ合う恋情を描いた作品。              (文庫本あらすじより抜粋)

登場人物のふたりが十分な大人ということもあり、優しく落ち着いた雰囲気で紡がれる中編小説です。経験を積んできたからこそ見える景色や、たくさんの葛藤がありつつも、穏やかに変化していく2人の関係性が見どころです。

読書好きな人
読書好きな人

愛にあふれた老年期は、微笑ましく素敵です。

国語の教科書にも採用されていたので、有名かもしれません。

2.むらさきのスカートの女/ 今井夏子

布の上に置かれた、秋のおすすめ本7.むらさきのスカートの女
あらすじ

近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方ない「わたし」は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で働きだすように誘導し…。        (文庫本あらすじより抜粋)

「芥川賞受賞作」ということもあり、深く考えさせられる作品だと思いました。さらっと読みやすい中編小説ですが、内容は狂気的です。他人に向ける視線はどうなんだろう?相手の距離感や個性を正しく尊重できているのかな?と自分の行動を顧みようと思いました。

3.残像に口紅を/ 筒井康隆

布の上に置かれた、秋のおすすめ本8.残像に口紅を
あらすじ

「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えていく。愛するものを失うことは、とても哀しい―。 言語が消失する中で生活する小説家を描く、究極の実験的長編小説。      (文庫本あらすじより抜粋)

純粋に「すごい」です。語彙力が無ければ絶対不可能な小説で、「実験的」という言葉がぴったりです。途中まで気づかないほど、内容はスムーズ。改めて、一つひとつの音で言葉が成り立っているんだなと感動さえしました。ぜひ読んでみてほしいです。

読書好きな人
読書好きな人

SNSでも一時話題になっており、書店でよく見かけました。

音が消えゆく世界は彩りを失い、少し物寂しいですね。

寂しい夜長を彩る。秋のおすすめ本8選 まとめ

本記事では「秋のおすすめ本8選 」をご紹介してきました。

「秋の本を知りたい!」「何を読めばいいか分からない…」という方の参考になれば嬉しく思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

めくるめく妻

製菓衛生師とFP2級。
覚えが悪いため苦労しましたが、何とか取得しました。
全く分からなかった頃の自分を意識し、理解しやすい文章を意識しています。
主な趣味は、お菓子作り・読書・御朱印あつめ。