秋に読みたい。寂しい夜長に寄り添う、おすすめ小説9選。

秋のおすすめ小説9選。秋の夜長と読書の秋を彩る小説。の記事のアイキャッチ画像 趣味と考えごと

本記事では「秋のおすすめ小説」をご紹介しています。

少しずつ肌寒くなってくる秋は、夜の時間が長くなり「秋の夜長」ともいわれます。

虫の声をききながら、ゆったりと楽しむ「読書の秋」はいかがでしょう。

ということで本記事では、「秋のおすすめ小説」+「世界観に浸る幻想的な小説」をご紹介しています。

あらすじ筆者のひとこと感想を参考にしながら、ぜひお気に入りの一冊を見つけてみてくださいね。

本記事がおすすめな人
  • ゆったり読書を楽しみたい人
  • 読みやすい本を知りたい人
  • 美しい風景描写を楽しみたい人
  • 幻想的な世界観に浸りたい人

「ノスタルジーな情景に浸りたい」「別の季節を感じたい」という人は以下の記事もぜひ!

さっそくみていきましょう。

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秋のおすすめ小説6選

夜長をイメージした中秋の名月の画像

秋にぴったりのおすすめ小説をご紹介していきます。

1. シュガータイム / 小川洋子

作品中で季節が変りますが、クライマックスが秋!ということでおすすめします。

あらすじ

三週間ほど前から、わたしは奇妙な日記をつけ始めた。春の訪れとともにはじまり、秋の淡い日差しのなかで終わった、シュガータイム。青春最後の透明な時間を描く長編小説。 (文庫本あらすじより抜粋)

つい見逃してしまいそうな風景や、繊細な心の動きをていねいに描いた小説です。一つひとつのシーンが美しく色付けされ、表情を伴いながら目に浮かんできます。

主人公と、その弟の食事シーンは必見。心温かい風景ながらもどこか哀しさが漂うひとコマは、秋を象徴する場面だと思います。

筆者
筆者

透明で刹那的な「秋」は青春に似合う季節ですよね。

2.秋の牢獄/ 恒川光太郎

布の上に置かれた、秋のおすすめ本4.秋の牢獄
あらすじ

11月7日(水)女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。何をしても、どこに行っても、朝になれば全てがリセットされ、再び11月7日(水)が始まる。悪夢のような日々の中、藍は同じ「リプレイヤー」の隆一と出会うが…。                        (文庫本あらすじより抜粋)

秋の一日に閉じ込められる、という不思議な設定の短中編小説。ホラー・ファンタジー・ミステリー3つが入り混じったような独特な世界観です。

心理描写が彩りを加え、最終的にどうなるのかワクワクしながら読み進められます。

3. デッドエンドの思い出 / よしもとばなな

布の上に置かれた、秋のおすすめ本1、デッドエンドの思い出
あらすじ

「幸せってどういう感じなの?」―辛くて、どれほど切なくても、幸せはふいに訪れる。かけがえのない祝福の瞬間を鮮やかに描き、心の中に宝物を蘇らせてくれる珠玉の短編集。(文庫本あらすじより抜粋)

ふと思い出すと優しい手触りや香りに包まれる、そんなほっこりとした記憶を閉じ込めた5編です。「人との関わり」がキーとなり、辛く悲しい出来事を解きほぐしていきます。

さくっと読みやすいため、読書初心者や「「全部読めるか不安…」という人にぜひ手にとっていただきたいです。

4.騎士団長殺し/ 村上春樹

四冊重なりあって並べられた、秋のおすすめ本5.騎士団長殺し

4冊の長編小説です。

あらすじ

私は時間を味方につけなくてはならない― 妻と別離して彷徨い、小田原の小暗い森の山荘で、深い孤独の中に暮らす36歳の肖像画家。やがて、屋根裏のみみずくと夜中に響く鈴に導かれ、謎めいた出来事が次々と起こりだす。                         (文庫本あらすじより抜粋)

少し肌寒く感じられる晩秋が舞台。4巻にわたる長編小説で長く世界観に浸ることができるため、秋の夜長にぴったりではないでしょうか。

スルスル読み進めやすいですが、カジュアルな文章の中に散りばめられたお洒落さと、確かに伝わる豊かな比喩表現・隠喩表現が上品です。

筆者
筆者

登場人物が個性的です。

とくに、物語のキーとなる騎士団長が愛らしく見えてきます。

5. センセイの鞄/ 川上弘美

布の上に置かれた、秋のおすすめ本6.センセイの鞄
あらすじ

ひとり通いの居酒屋で37歳のツキコさんがたまさか隣り合ったご老体は、学生時代の国語の恩師だった。ぽつりぽつりと交わす世間話から始まったセンセイとの日々は、豊かに四季をめぐっていく―。年齢の離れた男女の飄々として、やがて慈しみ合う恋情を描いた作品。              (文庫本あらすじより抜粋)

登場人物のふたりが十分な大人ということもあり、優しく落ち着いた雰囲気で紡がれる中編小説です。

経験を積んできたからこそ見える景色や、たくさんの葛藤がありつつも、穏やかに変化していく2人の関係性が見どころではないでしょうか。

筆者
筆者

愛にあふれた老年期は、微笑ましく素敵です。

国語の教科書にも採用されていたので、有名かもしれません。

6. むらさきのスカートの女/ 今井夏子

布の上に置かれた、秋のおすすめ本7.むらさきのスカートの女
あらすじ

近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方ない「わたし」は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で働きだすように誘導し…。        (文庫本あらすじより抜粋)

「芥川賞受賞作」ということもあり、深く考えさせられる作品だと思いました。さらっと読みやすい中編小説ですが、内容は狂気的です。

他人に向ける視線はどうなんだろう?相手の距離感や個性を正しく尊重できているのかな?と自分の行動を顧みようと思いました。

幻想的な秋のおすすめ小説3選

右端にススキがあり、奥に青空が広がる秋のイメージ画像

幻想的な世界観に魅了される、秋のおすすめ小説を3作品ご紹介します。

人によっては少し読みにくいかもしれませんが、素敵な作品ばかりです。

秋のおすすめ小説1. ラピスラズリ/ 山尾悠子

布の上に置かれた、秋のおすすめ本3.ラピスラズリ
あらすじ

「閑日」/ 秋、冬眠者の館の棟開きの日。人形を届けに来た荷運びと使用人、冬眠者、ゴーストが絡み合い、引き起こされた騒動の顛末。                         (文庫本あらすじより抜粋)

表紙を開けば、別の世界が広がっている。そんな独立した世界観に魅了される小説です。

幻想的ながらも幾何学的な文章が、想像力を掻き立てます。舞台は晩秋~冬といった感じで、うつろいゆく季節を楽しむこともできます。

筆者
筆者

ただ、場面や時系列がポンポン回っていくので、逃したら迷路のよう。

個人的には、上級者向けかな?と思います。

秋のおすすめ小説2. 西瓜糖の日々 / リチャード・ブローティガン

秋のおすすめ小説の「西瓜糖の日々」が置かれている
あらすじ

コミューン的な場所、アイデスと<忘れられた世界>、そして私たちとおんなじ言葉で話すことができる虎たち。西瓜糖の甘くて残酷な世界が夢見る幸福とは何だろうか…。

澄明で静かな西瓜糖の人々の平和・愛・暴力・流血を描き、現代社会をあざやかに映して若者たちを熱狂させた詩的幻想小説。                                                                

(文庫本あらすじより抜粋)

幻想的で謎めいた世界で繰り広げられるファンタジー小説です。読んでいると、夢の中にいるような感覚になって、淡く静謐な世界観に閉じ込められるような気がします。

見える景色や香り手触りなど情報すべてが、読み手に託されているのもまた素敵です。

秋のおすすめ小説3. 残像に口紅を/ 筒井康隆

布の上に置かれた、秋のおすすめ本8.残像に口紅を
あらすじ

「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えていく。愛するものを失うことは、とても哀しい―。 言語が消失する中で生活する小説家を描く、究極の実験的長編小説。       (文庫本あらすじより抜粋)

純粋にすごい作品です。語彙力が無ければ絶対不可能な小説で、「実験的」という言葉がぴったりです。途中まで気づかないほど、内容はスムーズ。

改めて、一つひとつの音で言葉が成り立っているんだなと感動さえしました。

筆者
筆者

SNSでも一時話題になっており、書店でよく見かけました。

音の消えゆく物寂しさが秋に合うと思います。

秋のおすすめ小説 9選 まとめ

本記事では「寂しい夜長に寄り添う。秋のおすすめ小説9選 」をご紹介してきました。

「秋を題材にした小説を知りたい!」「幻想的な小説を読みたい!」という人の参考になればうれしいです。

秋の夜長&読書の秋を楽しむ一冊に出会えますように。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

めくるめく妻

製菓衛生師とFP2級。
覚えが悪いため苦労しましたが、何とか取得しました。
全く分からなかった頃の自分を意識し、理解しやすい文章を意識しています。
主な趣味は、お菓子作り・読書・御朱印あつめ。