【わかりやすく】高専は何を学ぶ?向き不向き・偏差値・卒業後まで

高専とは?のアイキャッチ画像 高専と勉強

本記事では「高専は何を学ぶ?」を中心に解説しています。

「高専ってどんな学校なんだろう?」と疑問に思うことはありませんか?

志望校として視野に入れる場合、本人はもちろん親御さんも気になりますよね。

本記事では高専の概要以外にも「向き・不向き」「偏差値」「卒業後の進路・就活」まで。

高専卒業者が分かりやすく解説しています。

本記事がおすすめな人
  • 高専を志望している人
  • 志望校に悩んでいる中学生
  • 就活やその後の進路までを見据えている中学生
  • 自身の子どもが高専を志望している親御さん
  • 高専との相性(向き不向き)を確認したい人
  • そもそもどんな学校なのか概要を知りたい人

さっそく見ていきましょう。

高専とは?

そもそも、どのような学校なのでしょうか?

噛み砕いて簡単に解説していきます。

わかりやすい概要

高専は、理工系の専門教育を受けられる教育機関です。

高専卒業者
高専卒業者

正式名称を高等専門学校、略して高専といいます!

理数系の科目はもちろん、専門的な工業科目を重点的に勉強する学校です。

入学の対象者は、中学校を卒業した生徒

そのため、中学校から高校進学時への進路の1つとなる学校ということです。

高専の特徴・学歴の扱い

特徴3つをピックアップすると以下です。

  • 一貫教育…5年間(高校2年+専門3年)のカリキュラム
  • 準学士取得…卒業時に準学士(短大・高専卒の称号)を取得可能
  • 実践重視…実験研究・実習等の実践的教育が充実

高専は、座学だけでなく豊富な実践授業が大きな特徴のひとつ。

5年間を通して、高度な専門知識と技術を身につけることができます。

また、卒業後に大学3年次への編入も可能になります。

その理由は、5年間のカリキュラム修了時に取得できる「準学士」が短大卒と同等の扱いであるから

結果的に大学への編入がしやすくなり、勉強や研究を継続することができます。

特徴・学歴をまとめると、高専は5年間の実践的教育により準学士が取得できる学校です。

学科と専門分野

改めて、高専では何を学ぶことができるのでしょうか?

学科には以下のようなものがあります。

学科学習内容
機械工学科機械の設計、製造、メンテナンスなど
電気電子工学科電気や電子回路、通信技術などの基礎と応用
情報工学科プログラミング、ネットワーク技術など
化学工学科化学反応、材料科学、環境技術など
建築学科建築設計、建築構造、都市計画など
高専により他の学科もあります

以上のように高専には多様な学科があり、主に理工系の専門分野に特化しているといえます。

高専卒業者
高専卒業者

ちなみに筆者は「電気工学科」でした。

電気材料に興味があり、現在は半導体の企業へ就職しています。

高専の入試について

入学試験には「推薦入試」と「一般入試」があります。

以下から一つずつ解説していきます。

推薦入試

推薦入試の内容は以下です。

  • 選考方法:書類審査・小論文・面接。(実技試験などがある場合も)
  • 推薦基準:全体の成績・特定科目での優れた成績、人物評価など。
高専卒業者
高専卒業者

合格すれば、早期に進路が確定して安心できますよ!

推薦入試は、中学校からの推薦を受ける必要があります。

そのため「成績良好な人」「役員等をやっていた人」はおすすめです。

一般入試

一般入試の内容は以下です。

  • 試験内容:中学で学ぶ範囲の筆記試験
  • 試験科目:国語、数学、理科、英語、社会の5教科

ちなみに、筆記試験は各科目の基礎的な知識と応用力が問われる内容。

大きな特徴はありませんが、5教科全てのテストが行われます。

高専卒業者
高専卒業者

ちなみに理数の得点が1.2倍される高専もあります。

高専は入学してから勉強のハードルが上がります。

そのため、中学範囲の総復習を兼ねて受験勉強に取り組むとよいでしょう。

高専の適性 こんな人は行くべき!

以下からはメリット・デメリットを一つずつ解説しています。

併せて、高専の向き・不向きを分析していますので参考にしてくださいね。

メリットは?向いている人も!

メリットは以下です。

  • 実践的カリキュラム(実習・企業へのインターンシップなど)
  • 高校+短大の期間で高レベルの専門分野が学べる
  • 高い就職率、多様な進学の選択
  • 大学受験、センター試験が不要
  • 4~5年生から研究に参加可能

以上を踏まえ、向いている人を上げると以下になります。

  • 就職後すぐ即戦力になりたい人
  • 理数系が得意な人
  • 工業分野に興味がある人
  • 継続的かつ忍耐強く努力・勉強できる人

高専は産業事業や技術分野での即戦力になりえる人材を輩出する機関。

そのため、将来のキャリアにおいて有利なスタートを切れます。

デメリットは?不向きな人も!

デメリットは以下です。

  • 工学分野以外での選択が難しい
  • 女子学生の割合が少ない
  • 赤点が60点未満と厳しい
  • 授業や実験のレポートが大変
高専卒業者
高専卒業者

自分が学生時は、3割が留年していました

以上を踏まえ、不向きな人を列挙すると以下のとおりです。

  • 将来的に工学分野以外の道へ進みたい人
  • 勉強が苦手な人
  • 男女共学(半々くらい)がいい人

高専は、5年間にわたって工学系に特化した内容を学習します。

卒業後は、そのまま就職!ということも。

そのため、「将来、工学分野以外に進むかも?」と決めきれていない人は工業高校の方がいいかもしれません。

高専卒業後の進路・就活

以下からは、卒業後の進路や就活をケースごとに分けて解説します。

case①:就職希望

高専は、求人倍率は10~20倍、就職率はほぼ100%の高い就職率を誇ります!

なぜなら、実践的カリキュラム等により企業からの信頼が厚いからです。

基礎はもちろん、高い技術力・応用力を身につけた高専生は、企業の即戦力になりえます。

特に技術系の企業や、研究機関において引く手あまた。

そのため、就職先に困ることはないでしょう。

case②:進学希望

進学希望の人は、以下2つから選択可能です。

  • 高専卒業後、さらに2年間在学
  • 他大学の3年生に編入学(ゆくゆくは大学院へ行く人も)

進学することで、より高度な知識と技術を学ぶことができます。

さらに、将来的には大学院への進学も。

そのため「研究を続けたい」「大企業への就職を有利にしたい」という人におすすめです。

高専卒業者が回答!よくある質問4選

以下からは、よくある質問4つを一つずつ解説していきます。

高専と工業高校との違いは?何年間?

2つの学校のおおまかな違いを表にまとめると、以下のとおりです。

高専工業高校
①学校数57校約517校(高校数1459校)
②在籍年数5年間(16歳~20歳)3年間(16歳~18歳)
③勉強科目普通科目+理数+工業専門科目普通科目+工業専門科目
④実習・実験研究かなり多い実習のみ(実験等ある学校も)
⑤卒業時の称号準学士(短大卒レベル)特になし
学校により異なります

ちなみに高専は「埼玉」「神奈川」「滋賀」「山梨」「佐賀」にはありません。

しかし、寮が完備されている場合がほとんど。

遠方出身の生徒も多く進学し、寮で生活しながら通学しています。

そのため、在住の県に高専が無くても進学しやすい環境が整っています。

クラブや部活動はあるの?

高専にもクラブ活動・サークルがあります。

野球やサッカーなどのスポーツ系・吹奏楽などの文化系等、高専によりさまざま。

その中でも、ロボット製作の技術を競う「ロボコン部」は有名です。

高専の偏差値はどれくらい?

偏差値は、およそ47~68です。

ただし、志望する学科や各高専により幅が広いため、決定的な値ではありません。

人気の高い分野ほど偏差値は高い傾向になります。

高専は難しい?数学のレベルはどれくらい?

数学は、一般的な高校数学よりも難しいです。

なぜなら、高専低学年でも大学レベルの数学が入ってくるから。

専門的な技術や工学に重点を置いているため、数学の基礎的な理解が必須です。

加えて授業ペースは速く、試験においては60点未満が赤点という厳しさ。

そのため、数学だけでなく勉学全体が難しい学校といえるでしょう。

高専で学ぶ数学のレベルや、進度について解説している以下の記事もおすすめです。

高専は何を学ぶ?向き不向き・偏差値・卒業後 まとめ

今回は「高専とは?向き不向きや進路・就活まで解説!」をテーマに解説してきました。

本記事10秒まとめ
  • 理工系の専門教育を受けられる教育機関
  • 16歳~20歳まで5年間
  • 就職率はほぼ100%
  • 大学への編入もOK
  • 適性は「就職先で即戦力を目指す人」「将来も工業系!と決めきれる人」
  • 「継続的に努力できない人」「理数が苦手な人」は不向き

本記事が「高専へ行こうか悩んでいる…」という方のお役に立てば嬉しく思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

めくるめく夫

山口県の高専(電気工学科)から大学院まで半導体材料の研究をしていました。現在は、半導体設計職として勤務しています。
趣味は、PCゲーム・コーヒー淹れ・包丁とぎ。
休日の遊びの合間に、執筆するので更新は遅めかもしれません。

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