半導体とは?家電との関係・仕組み・種類を分かりやすく解説!

高専と勉強

本記事では、「半導体と家電の関係」を中心に解説しています。

「半導体ってよくニュースとかで耳にするけど何?」と疑問をお持ちでないですか。

工学を勉強していない人にとって、なかなか聞き馴染みのない言葉ですよね。

本記事では、半導体設計に携わる技術者が「仕組み」「種類」まで詳しく。

半導体への理解が進み、ニュース等でもさらに関心を寄せられるはずです。

本記事10秒まとめ
  • 半導体は、絶縁体と導体の中間にある物質。
  • 電流の流れを制御する技術により、電気を「通す」「通さない」が選択可能
  • 課題は「コストの高さ」「環境問題」
  • 半導体は多くの家電の核
  • 種類は「メモリ」「パワー」「プロセッサ」など豊富

さっそく見ていきましょう。

半導体とは?簡単に!

半導体は、絶縁体(電気をほとんど通さない材料)と導体(電気をよく通す材料)の中間にある物質。

家電・スマホなど多くの電化製品に使用されています。

技術者
技術者

代表的な半導体材料にはシリコンがあります。

半導体のメリット!何がすごい?

半導体のメリットを簡単に解説していきます。

すごい!と思えるポイントをピックアップしました。

電気を「通す」・「通さない」を変えられる

半導体最大のメリットは、絶縁体と導体を柔軟に切り替えられるところ。

電流の流れを制御する技術により、電気を「通す」「通さない」が選択できます。

技術者
技術者

専門用語でスイッチング技術といいます。

以下から頻出します。

しかし、なぜメリットとなりえるのでしょう?

それは、電気信号を選択的にON/OFFできるようになるから。(これを信号処理といいます)

例えば、テレビの映像。

3原色(赤、青、緑)のON/OFFを切り替えて映像を作り出しています。

今日の電化製品の「高速化」「効率化」は半導体によるものといっても過言ではありません。

半導体のデメリット3つ!弱みは?

以下からは半導体のデメリットを解説します。

製造コストが高い

半導体デバイスは、製造するのにコストが高くかかります。

なぜなら、高度な技術と設備が必要になるため。

シリコンに混ぜる化学物質や電子線の照射は、マイクロ・ナノスケールの技術が必要になります。

特に最新の「プロセス技術」を用いた機械は多大な投資が必要です。

そのため、製造コストが上がり量産が難しくなります。

技術者
技術者

新しいデバイスが高い理由はこれですね!

②:環境への影響

製造される半導体によっては、環境への影響が懸念されるものもあります。

その理由は、製造過程で有害な化学物質・大量の水が使用されるから。

半導体は、少しの汚れの付着も許されない繊細なものです。

そのため、原料であるシリコンの汚物を洗い流す過程で純水は必須になります。

また、シリコン表面の酸化膜などを洗浄するために酸性の液体が必要になることも。

上記のことから、廃棄物の処理や水の再利用は課題です。

半導体は便利である一方、環境への懸念が拭いきれません。

③:専門性が高く難しい

半導体関係は、専門性が高く難しい分野です。

なぜなら、電気と物質の知識2つが求められるからです。

工業分野を専門に学ぶ高専でも、半導体の学習期間は2年間。

専門教科を習い始める3年生から5年生まで、時間をかけて学ぶ難解な分野です。

そのため、就職先として選択する技術者は少ない背景があります。

家電と半導体!どんな役割をしている?

半導体のスイッチング技術は、私たちの身の回りの家電製品で重要な役割を果たしています。

以下に、具体的な家電製品とそれにおけるスイッチング技術の例を挙げます。

家電の種類スイッチング技術の働きより詳細な説明
①テレビ・画像と音声の表示・多くの半導体が使用されている
・映像・音声のデータを受信→出力を行う
②冷蔵庫・温度を適切に保つ・冷却サイクル制御して温度を制御する
③エアコン・冷房・暖房の効率化・コンプレッサーの速度を調整
・エネルギー消費の最適化
④電子レンジ・マイクロ波の生成・マイクロ波に必要なマグネトロンの動作制御
⑤洗濯機・モーターの速度・方向を制御・洗浄プロセスの効率と洗濯物のケアが向上

半導体のスイッチング技術は、家電製品の性能やエネルギー効率を向上させる役割があります。

その働きにより、私たちの生活に欠かせない電化製品は年々便利に。

より快適な生活が実現されているのです。

半導体の種類!使用家電も

半導体には、用途に合わせ様々な種類があります。

以下からは、少しだけピックアップしてご紹介します。

1. メモリ

「メモリ半導体」は、記録ができる機械(PC・スマホなど)に搭載されています。

なぜかと問うに、スイッチの状態を記録する役割の半導体だから。

より細かく分類すると、下記のようになります。

名称主な搭載機器用途・特長
DRAM(Dynamic Random Access Memory)コンピュータのメインメモリ・高速アクセスが可能
・プログラムの実行・データ処理
SRAM(Static Random Access Memory)CPU内部(PCの頭脳)・キャッシュメモリとして使用
・データ保存・アクセスに利用
・電力消費が少ない
フラッシュメモリ・USBドライブ
・スマホなどのストレージ
・大容量データの保存や読み出しが可能

ちなみに生産する企業は、「サムスン電子」「Kioxia」「SKハイニックス」などが有名です。

まとめると、「メモリ半導体」記録役の核となる存在といえるでしょう。

2. パワー

パワー半導体は、電気自動車やエアコン、冷蔵庫など動く機械に搭載

なぜなら、大きな電力用の半導体だからです。

技術者
技術者

もちろん、発電や変電も担います!

具体的に、下記のようなものがあります。

名称用途特長
MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)・パワーエレクトロニクス
・スイッチング電源
・モーター制御
効率的な電力変換を実現可能
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)・電動車両のパワーコントロール
・インバータ回路
高電圧・高電流のアプリケーションに最適
整流ダイオード・電力変換装置
・電源回路
交流電流を直流電流に変換する

主な生産企業は「インフィニオンテクノロジーズ」「富士電機」「オン・セミコンダクター」などが有名です。

「パワー半導体」をまとめると、大きな電気機器を円滑に動かす縁の下の力持ちのような存在です。

3. プロセッサ

「プロセッサ半導体」は、主にPCやスマートフォンなどに搭載されています.

その理由は、超高速スイッチが可能な半導体だから。

「プロセッサ半導体」には下記のようなものがあります。

名称用途特長
CPU(Central Processing Unit) PC・サーバー・スマートフォンの中核部品・データの処理と実行
IntelAMDが有名。
GPU(Graphics Processing Unit)ゲーム機など・グラフィックス処理・AI計算に特化
NVIDIAAMDが有名。
マイクロコントローラー(MCU)家電製品・自動車・産業機器・自動的な動作の実現
・組み込みシステムで使用

主な企業は、「Intel(インテル)」「NVIDIA(エヌビディア)」「Apple(アップル)」「AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)」などが有名です。

まとめると「プロセッサ半導体」は、AIや仮想空間などの先進技術を切り拓く存在です。

4. ロジック

「ロジック半導体」は、家電などに広く搭載されています。

なぜなら、決められたスイッチ動作を行う半導体だからです。

「ロジック半導体」には下記のようなものがあります。

名称用途特長
FPGA(Field Programmable Gate Array)通信機器・データセンター・特定用途にカスタマイズ可能
・高速データ処理に使用
ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)スマートフォン・通信インフラ・特定の機械に向けて設計された集積回路(IC)
ロジックIC コンピュータ・デジタル機器・データの演算や処理を行う

まとめると、スイッチ一つで動く家電等は「ロジック半導体」の働きによるもの。


主な企業は、「Intel(インテル)」「TSMC」「ソニー 」「サムスン電子」などが有名です。

5. アナログ

「アナログ半導体」テレビ・電話などに搭載されます。

なぜなら、音や映像などの情報をデジタルに変換する役割があるから。

「アナログ半導体」には下記のようなものがあります。

名称使用機器特長・働き
オペアンプ(Operational Amplifier)音響機器・測定機器 音や映像信号の増幅・フィルタリングに使用
アナログ-デジタルコンバータ(ADC)センサー・音響機器 ・アナログ信号をデジタル信号へ
・データ処理
デジタル-アナログコンバータ(DAC)音響機器・映像機器デジタル信号をアナログ信号へ

つまり「アナログ半導体」は、距離があろうとも人の五感を伝えられる存在といえます。


ちなみに有名企業は、「インフィニオン・テクノロジーズ」「テキサス・インスツルメンツ」などです。

半導体と家電の関係 まとめ

今回は「半導体と家電の関係」を中心に分かりやすく解説してきました。

本記事10秒まとめ
  • 半導体は、絶縁体と導体の中間にある物質
  • 電流の流れを制御する技術により、電気を「通す」「通さない」が選択可能
  • 課題は「コストの高さ」「環境問題」
  • 半導体は多くの家電の核
  • 種類は「メモリ」「パワー」「プロセッサ」など豊富

本記事が「半導体について全く分からない」という方のお役に立てば嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

めくるめく夫

山口県の高専(電気工学科)から大学院まで半導体材料の研究をしていました。
現在は、半導体設計職として勤務しています。
なかなかメジャーにならない「高専」「半導体」の知識・魅力を伝えるべく記事を執筆。
休日の遊びの合間に、執筆するので更新は遅めかもしれませんが、よろしくお願いいたします。